Halfway - 鶴田浩之のはてなブログ

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本のフリマアプリ「ブクマ」で買った、読んでよかった7冊の本

バーコードから出品できる本特化のフリマアプリ「ブクマ!」の開発をやっています。今日は、自分もユーザーの一人としてブクマの中で購入した50冊くらいの本の中から、お薦めの7冊をピックアップして紹介。

 

ヴェニスの商人の資本論

ー〈資本主義〉のシステムやその根底にある〈貨幣〉の逆説とはなにか。その怪物めいた謎をめぐって、シェイクスピアの喜劇を舞台に、登場人物の演ずる役廻りを読み解く表題作「ヴェニスの商人の資本論」。

今月号のForbes Japanで「波多野聖が推す "私を世界的資産運用者にした本"」というコーナーで紹介されていた本。金融業界の方はみんな知っている、読み継がれている本mのようですね。資本主義における貨幣の働きについて掴むことができる1冊。本書はオムニバス形式の展開で、書名から漂ういかにも難しそうな本という印象とは裏腹に、経済学の土台があれば読みやすいエッセイや謎解きのようなもの。「広告の形而上学」「十冊の本」の章が気に入った。世の中に存在する「貨幣」を引きずり下ろし考察することで、「何に価値を見出すか」という視点を考える事ができる良書です。知的刺激に溢れます。

ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)

ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)

 

 

さよならは小さい声で

松浦 弥太郎さんのエッセイ集。彼が書く文が好きで買ったのですが、本書のまえがきを読んだときに再確信。そして単行本版の装丁もキレイなので買ってよかった。(文庫版もあるようです)

20歳を過ぎてからと言うもの、歳を取るのがとても早く感じる。"年齢を重ねるとは、美しくなるということ。歳を取る美しさを教えてくれた人、働く上で大切なことを語ってくれた人、心に残る恋した人。『暮しの手帖』編集長による「すてきなひと」をテーマにしたエッセイ集。" とあるように、歳を重ねることを意識し始めたときに、世の中が愛らしく思える。

女性はもちろん、男性にもお勧めしたい。

さよならは小さい声で 松浦弥太郎エッセイ集

さよならは小さい声で 松浦弥太郎エッセイ集

 

 

フラット化する世界 普及版 上・中・下

『フラット化する世界』は高1のとき、初版を読んでいたのですが、その後、大幅な増補改訂版が出て、そしてこの普及版(ハードカバーではなく、A5サイズ3巻セット)が刊行されました。久しぶりに読んでも示唆に富む1冊です。この本は間違いなく10代の僕の生き方に影響を与えた本なので、生涯持っておきたい。とはいえ10年前に記された情報社会・グローバル社会を読み解く内容の本で、新しい知見を得るためにはもう時代が変わってしまいました。歴史を学ぶように、当時のテクノロジー業界のジャーナリストたちはどのような考えだったのか?この未来予測は確かに当たっていた、といった回想をしていくのには相応しい1冊かと思います。

今見たら、残念ながらAmazonは絶版(中古しか無い)になっているんですよね。こんな良書でも新刊流通がほぼ無い状態なので、ブクマのような古本のフリマアプリの開発にも気合いが入ります。

フラット化する世界〔普及版〕上

フラット化する世界〔普及版〕上

 

  

ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる

カリフォルニアでもニューヨークでもなく、なぜポートランドなのか。米国で「ディスティネーション・シティー(人気移住都市)」として今もっとも人気の都市の秘密について書かれた1冊です。BOOK LAB TOKYO でも、仕入れるとすぐに売れてしまう人気の本で、ブクマに出品されていたので買って読んでみました。

ポートランドはリベラル系の街です。サンフランシスコでは物足りない若者たちが移住しているよう。エコロジー(自動車を減らし公共交通機関や自転車の促進)、起業家精神、飾らない街。オレゴン州は消費税が0%だそうです。僕が渋谷に住んでいるということもあって、50年に1度という大規模な渋谷の再開発を眺めつつ、都市計画についても考える機会になりました。

そういえば、ポートランドにある「リード・カレッジ(Reed College)」は、スティーブ・ジョブズの出身校ということで有名ですね。1908年創立、学生1400人の小さな私立のカレッジです。

ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる

ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる

 

 

『レスポンシブル・カンパニー』

パタゴニア創業者による最新著。装丁が素敵だったのでポチりました。ジョブズ本でおなじみの井口耕二さんが翻訳されており、またボリュームも多くなく、読みやすいです。パタゴニアが示す「企業のあるべき姿」に至る模索、理想の追求。「人は正しいことをすると、もっと正しいことをしようとする。」(186頁)この言葉は至言。手帳にメモしました。創業者の理念と言うのは、永続的な企業にとって本当に重要なものです。本のテーマである環境保護に直接は興味がなくても、その創業者のスタンスを学ぶという意味で、とても勉強になった1冊でした。2007年の『社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論』も持っています(こちらはベストセラーでよく知られてます)が、Kindle版が出ないのが残念。

レスポンシブル・カンパニー

レスポンシブル・カンパニー

  • 作者: イヴォン・シュイナード,ヴィンセント・スタンリー,井口耕二
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2012/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (3件) を見る
 

 

『ライフ・イズ・ベジタブル ― オイシックス創業で学んだ仕事に夢中になる8つのヒント』

オイシックス創業者の高島さんの著書。僕はもともと創業記を読むのが大好きで、この本も例にも漏れず最後まで一気読みしました。Kindle版が出たらそちらで買い直したいと思います。ちなみにオイシックスは、この本が出版された翌年の3月にマザーズに上場されています。僕も半年間ほど定期宅配サービスを利用していたので、その裏でこんなドラマが有ったのかと、ふむふむと思いながら読んでいました。「ライフ・イズ・ベジタブル」という本のタイトルも、編集者のセンス良い。

ライフ・イズ・ベジタブル―オイシックス創業で学んだ仕事に夢中になる8つのヒント

ライフ・イズ・ベジタブル―オイシックス創業で学んだ仕事に夢中になる8つのヒント

 

 

『自分の時間 - 1日24時間でどう生きるか』

”人間というものは、貧乏人でも金持ちでも、1日24時間が平等に与えられる" とよく言われます。この本は、20世紀の初めの頃に出版されたことだけは分かっていて、実は出典が不明なんです。誰が書いたかも曖昧になっており、1908年と1920年に二度出版されたという記録が残っている。そんな古典的な本が、現代社会においても役に立つ素晴らしい良書でした。とても小さな本です。短く、誰でも読みやすい。

この本が幾度となく語りかけてくる本質的な問いは、「あなたにはたくさんの空白の時間が与えられている」というもの。たとえ1日8時間を労働にあてていても、起床して通勤するまでの3時間や、帰宅して就寝するまでの20時〜24時の時間と言うものに、人はあまりにも意識を向けていなさすぎではないか、と。多くの人が、”朝10時から夕方6時までの勤務時間を「1日」とみなし、勤務時間の前と後の数時間は、単なるプロローグとエピローグに過ぎないと思っている" (58頁) 読んでいて痛い思いでした。エネルギッシュだった10代の頃と比べても、確かに帰宅してから寝るまでの時間と言うのは「余白」の扱いで、何か精神的な活動をすることを避けてきたなぁと。

巷では毎年のように時間管理術のような本が出版されていますが、改めて読む必要は無さそう。この『自分の時間』と、『7つの習慣』の「重要事項を優先する」の第3章、そしてシリコンバレーで絶大な支持を得たティモシー・フェリスによる時間ハックの近代本『週4時間だけ働く』の前半部分、この3冊の本から得たものは大きいです。

自分の時間 (単行本)

自分の時間 (単行本)

 

 

本特化のフリマアプリ「ブクマ!」は、2017年2月9日にiOS版に加えてAndroid版もリリースしました。ISBNバーコードから10秒で出品ができる画期的なデータベースを持つカタログ型フリマアプリで、毎週2万冊ずつ出品が増えています。

よかったらぜひご利用ください!

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▼ブクマ!のダウンロードはこちら
App Store | Google Play

(招待コード 5F9D4 )

 

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